2022年01月11日

兼業ジビエへの道


3か年計画で進めている “兼業ジビエのビジネスモデル” 作り。
完成したらこのビジネスモデルを普及していく狙いでスタートしました。

2年目が終了して、いよいよ勝負の3年目に突入しました。
突入はいいですけど、ちゃんと検証することが必要ですね。

3年目終了時に設定している到達目標に対して、2年目が終了した現在、どの程度近付けているのか検証しました。
到達目標が書かれた収支計画書と今現在の実績表を見比べれば一目瞭然でした。

収支計画.jpg

いや〜非常に厳しいです...
感覚の中で、到底届いていないだろうなと感じてはいましたが、実際に数値化してみたら正にその通り。
いや〜厳しい。

見込みが甘かった所が多々露呈してきました。
検証するまでもなく見えていた改善点があれば、検証して見えてきた改善点もありました。
どう改善するか。

処理頭数、歩留率、処理に費やす作業時間、宣伝、商品在庫の不安定さ・・・・
改善点が多過ぎる。

まぁ、経営なんて計画通りに行かないのが当たり前で、
だから 計画 → 実行 → 検証 → 改善 このサイクルを繰り返して経営を強化して行くんですよね。
経営計画の中では自分は無敵の経営者なんです。でも実際にやってみると自分の無知や力不足、努力不足、甘さ、弱さが結果として現れます。上手く行かなかった原因を検証して改善策を講じて、また実行に移す。

3か年計画では難しい雰囲気になってきたな。
なんだか弱気になっちゃったな〜。

私が作ろうとしているビジネスモデルは “兼業ジビエ” です。
本業を持っている上での兼業としてのジビエ事業です。

まず一番大きな改善点は処理頭数。
到達目標では年間60頭を処理し、一頭を3万円で売って売上180万円、経費(減価償却費含め)が約60万円掛かり手もとに残る利益が約120万円。
兼業としては十分に成り立つでしょ。

2年目が終わった実績は・・・
年間の処理頭数が30頭でした。
目標頭数の半数です。じゃあ売上も目標の半分の90万円かというとそうではありません。売上結果は約70万円でした。

20万円も少なかった原因ですが、一つは歩留率です。
当初の計画では歩留率を30%に設定していました。
歩留率と言うのは一頭の鹿の体重から商品化できるパーセンテージです。

歩留率30%というと、例えば50Kgの鹿から15Kgのお肉が商品になるということです。
この歩留率30%というのはどこから来た数値かと言いますと、私が保健所からジビエを販売する許可を取得する前の修業時代、解体やトリミングを練習していた時に記録していたデータから出した平均値です。
※トリミングとは表面の膜やスジを取り除くことです。

ところが保健所の許可取得後の歩留率の平均は20%にまで下がりました。
つまり体重50Kgの鹿から10Kgのお肉しか取れなくなったということです。
5Kgも少なくなってしまいました。
何故だと思いますか?

保健所の許可を取ったということはお客様に販売できることになったということで、良い品質のお肉をお客様に届けようと意識するあまりトリミングを凄く丁寧にするようになったからです。
ただ、今はもったいないくらいにトリミングを深くやり過ぎてしまっています。
自覚しているので包丁の扱いにもっと慣れて、今後はもっと薄くトリミングできるようにスキルを向上させていきます。

直近のyoutubeの投稿にその様子があります。
https://youtu.be/VwDtTthfHII
※4分25秒あたりからトリミングをしています。

あとは作業時間も問題です。
当初の計画では、50Kgの鹿を商品化するのに12時間と算出していましたが、これも保健所の許可取得後、丁寧な作業を身に付けようという想いから、実際には16時間も掛かっています。
ただ、これは丁寧で正確な作業を身に付けることが大事で、それが身に付けば動きが合理化されていき勝手にスピードは上がっていきます。今の作業時間の1.35倍スピードが上がれば12時間は可能です。
とにかくこれは数を経験するしかないです。

経費も問題です。経費の中でも固定費(業務用の冷蔵冷凍設備の電気料や減価償却費)は、売上が多かろうが少なかろうが同じ金額の経費が発生するので、売上を増やさないと薄れません。
今回の約70万円という少ない売上では、この経費が大き過ぎて残った利益は微々たるものでした。

個人事業主には自分への給与という概念がないので、残った利益がつまり事業者の収入となります。
そこで、民宿業とは切り離して、このジビエ事業だけで自分の時給を計算してみました。
この微々たる利益の中から算出した私の時給は・・・
なんと・・・

時給266円でした(笑)

やらないほうがよかったじゃ〜ん!!!(笑)
あんなに疲れたのに(笑)

いやいや、そんなことはない。
やらないと先に進まない。
成功するまでやめなければ失敗はしない。
改善点が見えたということは希望が見えたじゃないか。

さ〜て、勝負の3年目、頑張るか。
年が明けたから、もう始まってるんだよな〜(笑)
ヤバいな〜

そうそう、お待たせしておりました鹿肉カレーが遂に店頭に並びますので宜しくお願い致します。

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公式オンラインショップと豊丘村の道の駅で販売します☆
豊丘村のふるさと納税(さとふる)にも今後、仲間に入れてもらう予定です。
※ちなみに冷凍での販売になります。

時給266円の男が作ったカレーを食べてやってください。

今年も宜しくお願い致します。

posted by mibu at 01:02| Comment(2) | 日記

2021年09月08日

夏のリズム


民宿が最も忙しくなる夏休みシーズンが終わりました。

毎年夏休みシーズンは、めちゃくちゃ忙しいにも関わらず、軽快にあっという間に心地良く時間が過ぎて行きます。

そういうリズムを自分で作ったからです。
めちゃくちゃ忙しい繁忙期に耐えうる準備、体力、運営方法を掴んでいました。

でも今年は違いました。

夏バテになり、クタクタになり、精神的疲労も相当溜めてしまいました。
※もちろんお客様には誠心誠意向き合い、満足していただけたかは分かりませんが精一杯の仕事を致しました。

そうなってしまった理由をフェイスブックに書きましたがここでも改めて整理します。

新たに始めたジビエ事業が今までの【夏のリズム】を許してくれませんでした。

・鹿が罠に掛かったから引き取りに来て
・この村の道の駅に借りているジビエの陳列スペースは常に品薄状態(忙しくて商品の補充が出来ない)
・うちの解体所の冷蔵庫には、常に精肉待ちの鹿肉が控えている
・鹿肉のご注文をいただいたら期日までに絶対に出さないといけない
・そして鹿が罠に掛かったという連絡がまた入る
・庭の草刈りが出来ていない・・・(雑草がボーボー)
・畑の手入れも出来ていない・・・(野菜が腐ってる)

民宿の繁忙期に民宿業だけに集中することが出来ません。

あ〜、どうしよう、どうしよう、間に合わない
わぁ〜あああ!!!!!

そんな今年の夏休みシーズンでした。
良いリズムに乗ることが出来ませんでした。

ただ、来年に向けた課題、改善点、新しい夏のリズムの作り方は見えました。

意味が分からないかもしれませんが、私の備忘録として箇条書きします。
そして、来年の夏休みシーズン前にこのブログを必ず見返します。

・梅雨入り前にジャガイモを収穫し、ナス科の野菜に付く害虫 “テントウムシダマシ” をひたすら駆除する
・梅雨が明けたら、ひたすら自宅と民宿周辺、畑、田んぼの草刈りをする
・道の駅に出している “たれ漬け鹿肉” を夏休みシーズン前に十分に補充しておく
・以上3点を実現するためには調整日(宿泊予約を受けない日)を設ける必要がある

この箇条書きを来年の夏休みシーズン前に見返し、必ず実行する。
これが出来ればきっと “新しい夏のリズム” を掴めます。

よし、来年は勝ったな☆

来年への良い展望が見えたところで9月に入りました。
繁忙期が終わって動けるようになりました。
9月に入ってから今日までの約1週間で、駆除する鹿の引き取り依頼が3頭ありました。
3頭全て引き取りました。
3頭とも全て自分が殺めました。

いずれも壮絶な最期を遂げました。
読んで欲しいと思って書きますが、有害駆除の残酷な現実を書きますので、読みたくない方はここで読むのをやめていただいて構いません。

・9/3 大きいメスが罠に掛かったと連絡が入り現場へ駆け付けました。罠に掛かった個体の隣には小鹿がいました。罠に掛かった母親から離れられずにいたんです。小鹿が逃げて行ったところで殺めました。

・9/4 朝、携帯が鳴りました。犬に追われて貯水池に落ちた鹿がいる。駆除するから引き取って欲しい。初めていく場所で、猟銃を持って行ったのですが、とても撃てるような場所ではありません。仕方なく、泳いでいる鹿の首にロープを引っ掛けて引き寄せて棒で頭を叩きました。この時、泳いでいる鹿の方から寄ってきました。私に助けて欲しいと言っているようでした。その鹿を殺めました。

・9/7 鹿が罠に掛かったと連絡が入ります。現場に行くと今年生まれたばかりであろう小鹿でした。くくり罠に掛かって暴れたのでしょう。罠に掛かった足は折れて骨がむき出しになっていました。その鹿を殺めました。愛しくて切なくて、横たわった小鹿の体にそっと手を置いて、息絶えるまで触れていました。


私は鹿を解体、精肉しているときは、ずっと自分が手に掛けた鹿のことを想っています。

絶対に美味しいお肉にする。人に食べてもらう。
駆除したら捨てている今の社会を絶対に変える。

“駆除したら食べる それが当たり前の社会を作る”

それが実現出来たら、俺たちの勝ち

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やります

posted by mibu at 21:33| Comment(0) | 日記

2021年09月01日

自分で考えて判断していく


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子どもたちに、色んな大人がいて色んな生き方があることを伝える連載をしている知人がいるのですが、先日、そのインタビューを受けました。
私の仕事に対する考えや価値観、人生観などについて上手くまとめていただいた記事がこちらです。
是非読んでみて下さい。

https://note.com/tyukika/n/n36c99ce0257b?fbclid=IwAR0LDKRaayFfc4DOD618UvWCdDC6YaUCkakKyw1MrpoZvehkAOLrykpo3DM


posted by mibu at 22:44| Comment(0) | 日記