2020年06月29日

人生を賭けて


14年間乗り続けている軽トラの車検が来月に切れるので、車検の更新をお願いしに、この軽トラを買った車屋さんに今日は行ってきました(車検は毎回ここにお願いしています)☆

結果なんですが・・・

絶望的にダメでした(笑)

無理もありません。
もう14年間、酷使して乗り続けています。走行距離も10万Kmオーバー。
修理が必要な個所が何ヶ所もあり、見積もりを出してもらったら、車検を通すために約25万円掛かることが判明・・・。

めちゃくちゃ悩みました。
今回、ダメな個所を修理して25万円で車検を通しても、2年後(次の車検更新時)にも、おそらく十数万円レベルの修理代が発生するでしょう。

もう寿命なんでしょうね。

整備士(検査員)の方からも勧められました。
「買い替えた方が良いと思いますよ。これだけ状態が悪いと、車検のたびに多額の修理代が必要になります。」

「・・・、そうですよね。」

14年間、10万Kmも走ってくれてありがとう。

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ということで、買い替えます。
が、お金がない(笑)

民宿業はコロナの影響で休業中、ジビエ事業はスタートしたばかりで、まだ軌道に乗っていない。

事情を話したら、月額約2万円のリース契約を提案されました☆
4年のリース契約です。

そうかぁ〜、4年あればコロナの影響もだいぶ薄れているだろうし、ジビエ事業も軌道に乗せる自信がある。
4年のリース契約満了時に、返却するか買い取るかを判断すれば良い。

ということで、軽トラを買い替えることにしました☆
(厳密には購入ではなく、リースなので借りるということになります。)

話はガラッと変わって、ジビエ事業の話になります。
今の軽トラとは、もうじきお別れになりますが、これまで鹿を何頭も荷台に乗せてうちに運んできました。
5年前から駆除した鹿の有効活用を進めてきました。
そして今年、正式に保健所の許可を取って、鹿肉の販売をスタートしました。

修羅の道だな〜

ジビエ事業を始める時に覚悟はしていました。

俺のメンタルは耐えられるのかな〜?
でも、やるしかないよな。

田畑や山林を荒らす鹿の駆除は、一次産業を守るためには必ず必要です。
なので、鹿の駆除は必要なんです。
問題は、駆除した後です。
ほとんどが活用されずに廃棄処分されています。

必要不可欠な理由とはいえ、動物の命を奪う訳ですから、その供養は、“食べること” だと個人的に思っています。
鹿肉販売のサイトの中で、その想いは綴りました。
https://inadani.base.shop/about

駆除するための罠に鹿が掛かったと連絡が来れば、猟銃とナイフを持って駆け付けます。
(自分では罠は仕掛けていません。現状、連絡を受けた鹿を回収するのに手いっぱいで、自分で罠を掛けて捕獲してしまうと、回収に行く余裕がなくなって余計に廃棄処分の鹿が増えてしまいます。)

問題は、メンタルが弱いんですよね〜、俺は。
俺は猟師に向いていないんですよ。

連絡を受けて現場へ駆け付け、罠に掛かった鹿の急所をめがけて猟銃の引き金を引くのですが、毎回、ためらいます。

かわいそうで、申し訳なくて...

でも、

“駆除したら食べる”

それが当たり前の世の中を作ります。
そう決めたんです。
だから、やるしかないんです。

ちょっと、話は変わります。
大学生の頃の話です。
テレビで夜通し、政治やら戦争やら社会問題について、専門家や政治家が討論する番組があって、それをよく見ていたのですが、すごく印象に残っているシーンがあるんですよね。

志願兵で構成されている軍隊と、徴兵制で構成されている軍隊はどっちが危険なのか?

仮に日本の自衛隊を軍隊とみなした場合、志願兵で構成されていますよね。
日本だけでなく、世界中のほとんどの軍隊が志願兵で構成されていると思います。
徴兵制がある国って、ちょっと怖いイメージがあります。

でも、その番組の司会者が言った言葉が印象に残っているんですよね。

「徴兵制で構成されている軍隊の方が安全だ。志願兵からなる軍隊は危険だ。」
司会者は、そう言ったんです。

は?? って思いました。
いやいや、何言っちゃってんの、この人・・・、って思ったんですよね。

でも、次の言葉を聞いた瞬間に、一理あるなと思って、記憶に深く残っているんです。

「志願兵からなる軍隊は、戦争が好きな人たちが集まりやすい。でも、徴兵制からなる軍隊だと、色々な考え方の人が集まるから、平和主義者が相当数いる。」

だから、徴兵制で構成された軍隊の方が暴走しにくいんじゃないのかという意見でした。

それを聞いたときに、
ハッ!! としました。
そういう視点もあるんだなと思って、今でも記憶に深く残っています。

ただ、冷静に考えると、徴兵制の時代に日本は戦争していました...。

なので、それを真に受けたわけではないですが、印象に残ったというエピソードです。

信憑性に欠けると言っておきながら、言いにくいのですが、その話と今の自分に重なる部分があるんですよね。

今の猟師の中には、動物を殺すことに抵抗がない人が結構いるのではないかと個人的に思っています。
(個人的にですよ...)

でも、自分は動物を殺したくないけど、問題意識を抱えて猟師をやっています。

臆病で慎重で、動物愛護の精神を持った猟師がいても良いじゃないですか。

鹿を駆除するためのグループ猟(罠で捕獲するのではなく、猟犬に追わせて待ち伏せして猟銃で仕留める猟)に参加した際、あとの飲み会で言われました。

「お前の所には、まったく鹿が走っていかねぇな」
と言われたので、
正直に、こう答えました。

「俺の前に来るな!って念じているので、鹿は俺の前には絶対に現れません」

案の定、怒られました(笑)

「そんなこと考えてんなら辞めちまえ!!」

でも自分は辞めません。

SNSで、まったく知らない人からメッセージが届いたこともあります。

「動物を殺すことがそんなに楽しいのですか?」

「楽しい訳ないだろ...」 とつぶやいて削除しました。


罠に掛かったと連絡を受けて駆け付け、
引き金を引くときに、ある言葉を心の中で毎回つぶやきます。

「絶対に美味しい肉にするから、勘弁してくれ。」

そのあと、引き金を引きます。

これからも、それをたくさん繰り返していきます。
鹿からしたら、最後に目に焼き付けた相手は俺です。

鹿から恨まれることは覚悟しています。

カラッカラに晴れた日でも気分が重い日がたまにあるのは、そのせいなのかな?

でもやります。

今年で39歳になります。

“駆除したら食べる”

それが当たり前の世の中を、
残りの人生を賭けて、
必ず実現します。

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posted by mibu at 19:08| Comment(5) | 日記

2020年06月13日

愛しき熊五郎


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最初に言っておきます。
これは俺が悪いんです。
そして、最終的に明るい話になるので深刻に読まないでください☆

熊五郎に噛まれました(今回で3回目)。

あまりにもカワイイので、執拗にかまっていたら怒られました(笑)。

噛まれた直後に傷の写真を撮ったのですが、エグいのでアップするのはやめておきます。
文章で説明しますと、右腕を5秒間、本気で噛まれました。噛み跡がくっきりと付いたのですが、そのうちの一か所は牙が皮膚を貫通して穴が空きました。

以前に噛まれた2回は、軽度だったので放置して勝手に治るのを待ちました。

でもな〜、今回は皮膚を貫通しちゃっているから細菌感染が心配だな〜。
ちゃんと消毒してもらおう(このときの俺は消毒レベルで済むと思っていました)。

ということで病院へ行こうと思ってネットで近所の外科の病院を調べたら、ほとんどが土曜日は午前中で終わり(噛まれたのがお昼の12時)。
唯一、午後も診てもらえる病院があったのですが16時からでした。一度も行ったことのない病院です。家から車で15分。
熊五郎の散歩へ出掛け、鹿を解体し、時間になったので病院へレッツゴー♪

傷を見るなり先生が、「診察台に仰向けに寝て下さい」
??

診察台に横になるとベテラン風の看護師さんから “犬のぬいぐるみ” を手渡されました。
??

「え? これはなんです?」

「結構痛いので、これを握って耐えてください」

「え??」

消毒レベルで済むと思って来ています。
「え? 何をするんですか?」

先生の説明が始まります。
「麻酔を打って、牙が入った部分を少し切って、消毒して、ガーゼを突っ込みます」

「えーーーーー!!!!」

パニック状態です。消毒で済むと思っていたので。

この状況から逃れようと、俺の必死の抵抗がこれから始まります。

「麻酔を打つと手の感覚が無くなって、車を運転できなくなりませんか?」
「いや、運転は出来ますよ」
「麻酔を打つと眠くなって運転が危なくないですか?」
「いや、眠くなりませんよ」
・・・
・・・

ついに俺は切り札を出します。
「俺、注射が苦手なんです」
(本当に苦手で、小学生の頃、普段は正直な俺が、予防接種の日になると演技をして風邪を引いたふりをして、なんとか学校を休もうとしていました)

「でも、麻酔を打たないと相当痛いですよ」
「相当って、どれくらいですか?」
「穴の入り口を綿棒で消毒しますね」
・・・
・・・

「いた〜い!!!!」

「入口の時点で痛いでしょ? 牙が入った奥まで綿棒を入れて消毒するんですよ。麻酔無しで耐えられますか?」

究極の選択です。
@大嫌いな注射(麻酔)を打って治療する
A注射(麻酔)を打たずに激痛に耐える

先生からどっちにするのかと聞かれ、
「ヤダヤダ! どっちもヤダ!!!」
と駄々をこねていたら、看護師さんから思いっきり笑われました。

覚悟を決めました。
麻酔を打って治療してもらう方を選択しました。
麻酔無しだったら、おそらく痛すぎて悶絶していたでしょう。

でも、注射針を見た途端、やっぱり怖くなってきて、
「俺、本当に注射がダメなんですよ・・・」

看護師さんから
「見ないで、逆の方を向いてぬいぐるみを強く握って。」
「いた〜い!!!」
・・・
・・・
「はい、一本目が終わりました」
「え? 一本目??」
「まだ打ちますよ」
「え? え?」

合計で麻酔を3本、感染予防の注射を1本、計4本の注射を打ちました。
麻酔を打ったとはいっても、穴の奥まで綿棒を突っ込まれたときは痛かったです。

言うまでもありませんが、俺は終始・・・
“犬のぬいぐるみ” を本気で握っていました。

噛まれても熊五郎に怒らなかったことと、治療に耐えた自分にはご褒美が必要です。

病院からの帰り道、自分へのご褒美で、大好物のホンビノス貝を6個と焼酎をイオンで買って帰りました。

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病院を出る際の看護師さんと自分との会話。
「壬生さんはお酒は好きですか?」
「好きです」
「飲むなとは言いません。ただ、飲むと傷が余計に痛くなるので、覚悟して飲んで下さい♡」
・・・
・・・
「OKです♡」

そして今、俺は、右腕をズキズキいわせながら焼酎を飲んでいます☆


posted by mibu at 19:33| Comment(2) | 日記

2020年06月10日

田舎の時代


なんだかよく分からないけど、“議会モニター” になりました。

この村の、とある議員さんから “議会モニター” になって欲しいと頼まれて、それがなんなのかよく分からないまま「いいですよ」と簡単に引き受けてしまいました。

その議員さんには、なにか思うことがあって私に依頼してくれたと思うんですよ。
なので、よく分からないけどお引き受けしました。

資料が送られてきたので、鹿のサイコロステーキを食べながら読んでいます。

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ふ〜む

どうやら、“議会モニター”というのは議会を傍聴して、感じたこと(意見や要望)を述べる人のようですね。それが村政への提言に反映されることもあるようです。

いいですね☆

移住者対策に自分は問題意識を持っているので、その辺が議題に挙がった時に重点的に意見を述べていこうと思います。

移住者にとっては、現状、この村は居心地の良くない場面が多々あります。
この村だけではないですね、多くの田舎がそうかもしれません。

一言で、“閉鎖的” なんですよ。

私は移住してきて17年目で、移住当時(22歳)から地域付き合いをしてきましたので、この村で生まれ育った同年代よりも、地域のこと、村のことをよく知っています。
移住当時は、歳のかけ離れた人たちの中でビクビクしながら地域付き合いをしていました。
でも、もう誰も怖くありません。

移住者だから気が付く問題点があります。
これからの時代、移住者が住みよい政策が必ず必要になってきます。

●これから都市部から地方への移住の波が加速します。
●田舎暮らしを目指す人が増えてきます。
●東京の一極集中時代は、おそらく終わります。
●お金を稼ぐことよりも個人の幸福を尊重する時代になります。
●ネクタイを締めて満員電車にギューギューに押し込められて出社しなくても仕事はできます。
●モノ作りの会社や医療介護系とか、どうしても出勤が必要になる会社や組織はありますが、リモートワークで済んじゃう業種もたくさんあります。
●日中よりも夜中に頭が冴えるタイプの人もいます。
●時間を拘束して無駄に働かせるスタイルから、成果主義に移行します。
●そうすると合理的な考え方をする人が増えます。
●働く時間を減らしても結果を残せる人が増えます。
●会社が労働時間をコントロールするのではなく、自分で労働時間をコントロールするので、現代の共働き世帯の子育て問題とかも解消されてきます。
●都会のコンクリートジャングルよりも田舎の方が子供にとっては良い環境と考える親は多くなります。

働くために生きているんじゃなくて、生きるための手段として働いているんです。

今回のコロナ問題で気付かされた方は多いと思います。

これからの時代は、東京ではなく地方の時代です。

田舎は閉鎖的なままでどうするんですか。
移住者の視点を持った者が村政に携わることが、これからどうしても必要になってきます。

移住者としてバシバシ言っていきますよ。
誰も怖くないので☆


posted by mibu at 22:16| Comment(2) | 日記