14年間乗り続けている軽トラの車検が来月に切れるので、車検の更新をお願いしに、この軽トラを買った車屋さんに今日は行ってきました(車検は毎回ここにお願いしています)☆
結果なんですが・・・
絶望的にダメでした(笑)
無理もありません。
もう14年間、酷使して乗り続けています。走行距離も10万Kmオーバー。
修理が必要な個所が何ヶ所もあり、見積もりを出してもらったら、車検を通すために約25万円掛かることが判明・・・。
めちゃくちゃ悩みました。
今回、ダメな個所を修理して25万円で車検を通しても、2年後(次の車検更新時)にも、おそらく十数万円レベルの修理代が発生するでしょう。
もう寿命なんでしょうね。
整備士(検査員)の方からも勧められました。
「買い替えた方が良いと思いますよ。これだけ状態が悪いと、車検のたびに多額の修理代が必要になります。」
「・・・、そうですよね。」
14年間、10万Kmも走ってくれてありがとう。
ということで、買い替えます。
が、お金がない(笑)
民宿業はコロナの影響で休業中、ジビエ事業はスタートしたばかりで、まだ軌道に乗っていない。
事情を話したら、月額約2万円のリース契約を提案されました☆
4年のリース契約です。
そうかぁ〜、4年あればコロナの影響もだいぶ薄れているだろうし、ジビエ事業も軌道に乗せる自信がある。
4年のリース契約満了時に、返却するか買い取るかを判断すれば良い。
ということで、軽トラを買い替えることにしました☆
(厳密には購入ではなく、リースなので借りるということになります。)
話はガラッと変わって、ジビエ事業の話になります。
今の軽トラとは、もうじきお別れになりますが、これまで鹿を何頭も荷台に乗せてうちに運んできました。
5年前から駆除した鹿の有効活用を進めてきました。
そして今年、正式に保健所の許可を取って、鹿肉の販売をスタートしました。
修羅の道だな〜
ジビエ事業を始める時に覚悟はしていました。
俺のメンタルは耐えられるのかな〜?
でも、やるしかないよな。
田畑や山林を荒らす鹿の駆除は、一次産業を守るためには必ず必要です。
なので、鹿の駆除は必要なんです。
問題は、駆除した後です。
ほとんどが活用されずに廃棄処分されています。
必要不可欠な理由とはいえ、動物の命を奪う訳ですから、その供養は、“食べること” だと個人的に思っています。
鹿肉販売のサイトの中で、その想いは綴りました。
https://inadani.base.shop/about
駆除するための罠に鹿が掛かったと連絡が来れば、猟銃とナイフを持って駆け付けます。
(自分では罠は仕掛けていません。現状、連絡を受けた鹿を回収するのに手いっぱいで、自分で罠を掛けて捕獲してしまうと、回収に行く余裕がなくなって余計に廃棄処分の鹿が増えてしまいます。)
問題は、メンタルが弱いんですよね〜、俺は。
俺は猟師に向いていないんですよ。
連絡を受けて現場へ駆け付け、罠に掛かった鹿の急所をめがけて猟銃の引き金を引くのですが、毎回、ためらいます。
かわいそうで、申し訳なくて...
でも、
“駆除したら食べる”
それが当たり前の世の中を作ります。
そう決めたんです。
だから、やるしかないんです。
ちょっと、話は変わります。
大学生の頃の話です。
テレビで夜通し、政治やら戦争やら社会問題について、専門家や政治家が討論する番組があって、それをよく見ていたのですが、すごく印象に残っているシーンがあるんですよね。
志願兵で構成されている軍隊と、徴兵制で構成されている軍隊はどっちが危険なのか?
仮に日本の自衛隊を軍隊とみなした場合、志願兵で構成されていますよね。
日本だけでなく、世界中のほとんどの軍隊が志願兵で構成されていると思います。
徴兵制がある国って、ちょっと怖いイメージがあります。
でも、その番組の司会者が言った言葉が印象に残っているんですよね。
「徴兵制で構成されている軍隊の方が安全だ。志願兵からなる軍隊は危険だ。」
司会者は、そう言ったんです。
は?? って思いました。
いやいや、何言っちゃってんの、この人・・・、って思ったんですよね。
でも、次の言葉を聞いた瞬間に、一理あるなと思って、記憶に深く残っているんです。
「志願兵からなる軍隊は、戦争が好きな人たちが集まりやすい。でも、徴兵制からなる軍隊だと、色々な考え方の人が集まるから、平和主義者が相当数いる。」
だから、徴兵制で構成された軍隊の方が暴走しにくいんじゃないのかという意見でした。
それを聞いたときに、
ハッ!! としました。
そういう視点もあるんだなと思って、今でも記憶に深く残っています。
ただ、冷静に考えると、徴兵制の時代に日本は戦争していました...。
なので、それを真に受けたわけではないですが、印象に残ったというエピソードです。
信憑性に欠けると言っておきながら、言いにくいのですが、その話と今の自分に重なる部分があるんですよね。
今の猟師の中には、動物を殺すことに抵抗がない人が結構いるのではないかと個人的に思っています。
(個人的にですよ...)
でも、自分は動物を殺したくないけど、問題意識を抱えて猟師をやっています。
臆病で慎重で、動物愛護の精神を持った猟師がいても良いじゃないですか。
鹿を駆除するためのグループ猟(罠で捕獲するのではなく、猟犬に追わせて待ち伏せして猟銃で仕留める猟)に参加した際、あとの飲み会で言われました。
「お前の所には、まったく鹿が走っていかねぇな」
と言われたので、
正直に、こう答えました。
「俺の前に来るな!って念じているので、鹿は俺の前には絶対に現れません」
案の定、怒られました(笑)
「そんなこと考えてんなら辞めちまえ!!」
でも自分は辞めません。
SNSで、まったく知らない人からメッセージが届いたこともあります。
「動物を殺すことがそんなに楽しいのですか?」
「楽しい訳ないだろ...」 とつぶやいて削除しました。
罠に掛かったと連絡を受けて駆け付け、
引き金を引くときに、ある言葉を心の中で毎回つぶやきます。
「絶対に美味しい肉にするから、勘弁してくれ。」
そのあと、引き金を引きます。
これからも、それをたくさん繰り返していきます。
鹿からしたら、最後に目に焼き付けた相手は俺です。
鹿から恨まれることは覚悟しています。
カラッカラに晴れた日でも気分が重い日がたまにあるのは、そのせいなのかな?
でもやります。
今年で39歳になります。
“駆除したら食べる”
それが当たり前の世の中を、
残りの人生を賭けて、
必ず実現します。