123億円、宝くじで当たりました☆
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はい、ウソです。ごめんなさい(笑)
正月三が日も過ぎ、ご挨拶が遅れてしまいました。
遅ればせながら、明けましておめでとうございます☆
私は正月三が日、ほとんど家にこもっておりました。
元旦の自治会の新年会と朝の熊五郎の散歩に外に出たくらいで、あとはずっと自分の部屋にこもっておりました。
いや〜
腰痛いわ〜
砂払温泉の電気風呂に入りたいわ〜
でも年始は混んでるから、まだ行きたくないわ〜
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正月三が日、ジビエ事業に夢を膨らませ、戦略を練っておりました☆
民宿業は、これから宿周辺でのリニア工事の本格着工により下火になります。
現在38歳なので、もう40歳間近です。
人生を掛けた勝負に出ます。
今年は激動の年になりそうだな〜。
金融機関から借金をしてジビエ事業をスタートします。
(当初は50万円を借りる予定でしたが、金融機関と話を進める中で100万円借りることにしました)
事業計画をしっかり立てて利益を追求していくことになります。
これまでのように、“やりがい” や “自分らしさ” で運営してきた民宿業とは異なる景色を見ることになります。
利益を出せる事業計画が描けました。
もともと感覚や直観力には自信があるのですが、ちゃんと数字による裏付けを加える作業をしました。
下火になるとはいえ、民宿業は今後も続けますので、今年から民宿業とジビエ事業を両立していくことになります。
●新たなジビエ事業に費やす時間があるの?
と思われるかもしれませんが、あります。
以前にブログで書いたかもしれませんが、これまで冬場のお客さんが入らない時期の4ヵ月間は遊んで暮らしていました。
春先と晩秋の時期にもお客さんが入らない日が多いことを考えると、プラス半月の4ヵ月半は、毎年遊んでいます。
それでも年間の事業収支は黒字でした。
ギリギリの黒字でしたが、お金を追いかけることが嫌いなので、無理に働こうとは思いませんでした。
お客さんが入らない4ヵ月半は遊んで過ごしていました。
楽しかったです。
今年からは、遊んでいた4ヵ月半をジビエ事業に費やします。
会社に勤めた場合と同等レベルで新たに使える労働時間を算出しました。
1日8時間労働×月20日間勤務×4ヶ月半=720時間
私には年間720時間、ジビエ事業に費やせる時間があります。
●1頭を商品化する時間を算出します。
一次処理(内臓出し、剥皮):1.5時間
二次処理(解体、精肉、パッキング):8.5時間
副産物処理(ペットフード等):2時間
計12時間
一頭の商品化処理に12時間が必要になります。
720時間あるので60頭の処理が可能です。
売上−経費=利益
借金をする以上、必ず利益を出さなければなりません。
※借金をしなくても事業を継続するためには利益を出さなければなりません
試算に試算を重ね、利益が出る収支モデルが確立できました。
1頭平均3万円の売上×年間の売上頭数60頭=180万円
年間経費(減価償却費、人件費含む)=150万円
このモデルで年間30万円の利益が出ます。
ブログではざっくりとした説明ですが、緻密な積算をした収支計画書は手元にあります。
個体平均重量を35Kgで歩留り30%で計算しました。
まだお見せすることが出来ません、すみません。
※実際よりも厳しめ(不利)に計算しています
個人でジビエ事業に踏み込む場合、黒字 or 赤字 の “分岐点” になるのは、“1頭3万円で60頭販売”と見ました。
これが私が行き着いた売上課題です。
これが達成できれば、個人事業レベルでのジビエ事業で黒字可能です。
●本当に1頭で3万円分の売上があるの?
と思われるかもしれませんが、可能です。
これまで鹿を解体するたびに個体重量、解体後の部位別重量をデータに残してきました。
背ロースのような高級部位からスネ肉のような廉価部位、内ロースやタンといった希少部位、ペットフード用部位など、個体あたりの部位別重量データを持っています。
部位別に販売単価を設定し、1頭当たりの売上を算出しています。
現在、実際に鹿肉販売を行っている事業体の部位別販売価格をインターネットで収集できる範囲内で集めて分析しました。
※行政が運営に関わっている事業体の場合、採算度外視のデタラメな価格設定をすることがあるので、あくまで完全に民間で運営している事業体を対象に調査しました。
予め私が設定していた部位別の販売価格設定と大きな差はありませんでした。
私が設定した価格設定の方が若干安い程度です。
鹿1頭から3万円分の売上を出すことは可能です。
●この地域で1年間に60頭の鹿を集めることが出来るの?
はい、可能です。
私が暮らす豊丘村、この村の猟友会資料より、平成30年度に捕獲された鹿は134頭です。
しかも私が居る地域は、隣村と隣接している村境の場所に位置しています。
二つの村からの集荷を見込んだ場合、集荷対象となる鹿は200頭以上います。
うち冬場を中心に60頭を集荷する計画です。
そうはいっても、冬場以外、民宿の繁忙期にも受け入れせざるを得ない場合は必ずあります。
そういうときは師匠を頼ります。
先日、師匠に話をしました。
「冬場を中心に年間で60頭の鹿を集荷したいです、でも民宿が忙しいときはどうしても動けません」
「お前が本気でやるなら、俺はいくらでも協力してやるぞ」
「ありがとうございます」
民宿繁忙期の鹿の受け入れは師匠にお願いします。
もちろん、年間収支計画の経費の中には人件費も入れているので、その中でお支払いします。
●毎年、継続的に鹿はたくさん獲れるの?
いやいや、増えすぎて日本中、困っているんです。
環境省が平成元年から平成27年までの鹿の個体数調査の結果報告を出したのですが、なんと25年間で約10倍に増加しているんです。

平成元年の約30万頭から、平成25年には約300万頭(10倍)に増えているんですよ。
25年間で約10倍の爆発的な激増って、普通は考えられないような異常事態です。
●鹿はなんでこんなに激増したの?
はい、それは山間集落から人が激減したことが大きな理由です(個人的見解)
鹿の激増の理由として、よく言われる理由は次の3つです。
1、オオカミの絶滅
2、人工林の拡大
3、温暖化
まず1について、日本列島各地には、かつてオオカミが生息していました。
生態系の頂点に君臨する存在でした。鹿を襲い、捕食していたことでしょう。
ただ、ニホンオオカミが絶滅したのは、1905年ですよ。
ここ数十年の鹿の激増との因果関係はどうも薄いです。
2について、自然林をスギやヒノキなどの人工林に変遷させる過程で、一旦、草地になります。
それは鹿の格好のエサ場になります。育ち始めた幼木も鹿にとってはエサとなったでしょう。
ただ、それを盛んに行ったのは昭和後期までの話で、平成に入ってからは減少の一途をたどっています。
一因ではあると思いますが、これもここ数十年の鹿の激増との因果関係の主因ではないと思います。
3について、近年、生態系のバランスが狂うと、なんでもかんでも温暖化に結び付けようとします。
確かに温暖化の影響はあるでしょう。
もともと温暖な地域に生息していた動植物が北上してくる。
それはもちろんあると思います。
リンゴの生産が盛んな長野県ですが、数十年後にはミカンの産地になるんじゃないかなと個人的には思っています。
小鹿は積雪に弱く、従来、冬を越せずに自然死していた小鹿が、温暖化により冬を越せるようになったために鹿の個体数が激増したという分析結果がありますが、それは積雪が盛んな地域だけで起きている現象なら納得出来ます。
でも、もともと積雪の少ない九州でも鹿が激増しています。
なので、一因ではあると思いますが主因ではないと思います。
●私が考える主因は、山間集落からの人口の激減です。
やはり野生動物っていうのは、人が怖いんですよ。
※奈良の鹿や日光の猿のように、餌付けされてしまった場合は別ですよ
田畑を耕作し、山林を管理することで、里へ下りてこようとする野生動物を威嚇していたのだと思います。
単純にそれが今は難しくなっているんです。
山間集落で野生動物への威嚇が機能していない。
原因は山間集落から人が激減しているからです。
特に若い世代の減少が著しい。
私が住んでいる地域を例に挙げましょう。
これは村のホームページから入手した統計資料です。
古いですが、これが一番最新の統計資料でした。
昭和50年から平成23年までの村内の地区別人口推移を表した統計資料です。
同じ村の中でも、山間部を“上段(うわだん)”、人口密集地を“下段(しただん)” という呼び方をします。
私が暮らしている地区はまさに “上段(うわだん)” の壬生沢区です。
それに対して役場があるのは “下段(しただん)” の田村区です。
見てみましょう。

昭和50年から平成23年までの人口推移を比較した場合、“下段(しただん)” の田村区は 9%の人口減であるのに対して、“上段(うわだん)” の壬生沢区は 39%の人口減です。
同じ村の中でも山間部と人口密集地で人口減少の比率がこれだけ顕著なんです。
これはこの村だけの問題ではなく、日本中で抱えている問題です。
“上段(うわだん)” でこれだけ人が激減すれば、そりゃ、鹿は激増するわい。
人が去った土地は鹿にとっての新たな生息地となります。
生息域の拡大は生息数の増加を意味します。
田んぼであれ畑であれ、耕作放棄地は草地となります。
鹿にとっては格好のエサ場となり、しかも宿敵の人間がいない。
鹿からしたら新大陸を発見したような心境でしょう。
ヨッシャ―!!
ここでエサを食いまくって、子供作りまくるぞー!!
25年間で10倍というとんでもない激増をした主因は、これでしょうね。
●ジビエ事業って可能性あるの?
はい、大いに夢があります。
これまでうちの民宿をご利用していただいたお客様からは、鹿肉料理、大好評です。
また鹿を食べたいという理由でリピーターになっていただけるお客様もいるくらいです。
世間では最近、鹿肉バーガーがロッテリアで好評を得ているというニュースをご存知の方も多いと思います。
販路開拓をこれからしていかなければなりませんが、健康志向やエコロジー、食育なんかと相まって、鹿肉の需要はこれからもっと拡大していくと予想しています。
鹿1頭3万円で60頭売上げれば、個人事業レベルでも採算が合うという話は先ほどしました。
では、今現在、どれだけのポテンシャルを秘めているかを考察していきます。

環境省が公表した資料によると、平成30年度に捕獲された鹿は56万頭です。
うち食用肉やペットフードとして現在利用されているのは9%です。
ですので、利用されずに廃棄されている鹿は56万頭のうち91%にあたる51万頭です。
51万頭全てが利用可能な訳ではありません。
病気に感染していた個体、銃猟捕獲時に腹部に銃弾が入ってしまった個体、罠猟捕獲時に発見した時点で死亡していた個体、これらは利用できません。
これら利用できない個体が2割相当発生すると仮定します。
すると利用できる個体は51万頭中の8割、41万頭になります。
この41万頭を無駄なく全て利用できる仕組みを作れば、123億円の売上が生まれます。
ただ、相手は畜産ではなく野生動物です。
環境変化や国の捕獲方針により、市場流通量が不安定な代物です。
専業としてのジビエ事業よりも、兼業としてのジビエ事業の方が普及するのではないかというのが、今の私の考えです。
まずは私が身をもって実践します。
●個人事業レベルでのジビエ事業なので、保健所の許可がギリギリ下りるコンパクトな施設で構わない。
●開業費用を400万円以内に抑える。
●ジビエ事業へ費やす時間は年間720時間を確保する(忙しければ人を雇うのもOK)。
このモデルで採算が合うように結果を出します。
あとは、裏に隠れている123億円の潜在的な売上を、表舞台にどう引っ張り出してくるかです。
当然、私一人ではできません。
私クラスの変態的な情熱を持った人間がたくさん必要になります。
個人事業で “1頭3万円で60頭販売”
これを現在廃棄されている利用可能な鹿41万頭に当てはめた場合、6,833人が必要になります。
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変態が
あと6,833人必要なんです・・・
日本各地の山間集落へ・・・
移住者よ・・・
ウェルカム☆
景気よく将来展望を語ってみました。
本年も宜しくお願いいたします。
農家民宿ひがし
壬生紘彰