2019年07月29日

脱 “都会コンプレックス”


自分ではどうすることも出来ない状況があります。

今の世の中で、その環境に適応して暮らしている中で、自分はこうしたいって思って行動して、それを仕事にして、真面目に取り組んで形になってきて、このまま行けばいいなって思うけど、世の中そんなに甘くはないんですよね。

私の商売は “田舎らしさ”をセールスポイントにしているので、国策や公共事業による“開発”には、もろに影響を受けます。

前回ブログに綴った想いの通りです。
自然や田舎らしさを売りにする “農家民宿ひがし” は、間もなくリニア新幹線工事の荒波に飲まれていきます。
“このままがいい” けど、“このまま” じゃなくなります。

自分ではどうすることも出来ない状況の中で、卑屈になって腐るか、なにくそ根性で前を向くかは自分次第です。

・・・・
・・・・

前を向くことにしました。


先日、うちにホームステイした東京の中学生、そのうちの一人の生徒が昆虫が大好きで、カメラを持ってうちの庭でカシャカシャと色んな昆虫を撮っていました。

「え!! すげー!!!」

興奮しながら、ある特定の昆虫を撮影しまくりだしました。
しかし私は毎日見ている昆虫だったので彼に聞きました。

「え? なにがすごいの?」
「これは珍しいカミキリ虫です。 以前にペットショップで一度見たことがあるだけです。」

薪にするための原木を庭に山積みにしてあるのですが、そこで発生したのか、集まって来たのかは分かりませんが、とにかくたくさんいます。

“ルリボシカミキリ” です。

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「え? 珍しいって、ここにいっぱいいるよ」

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「こっちでは交尾しまくってるし・・・」

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生徒がペットショップで見たという話が気になって、ちらっとネットで調べてみました。
確かに一匹2,000円前後で売買されていました。

しめしめ (笑)
ざっと20匹はいるから、2,000円×20匹か (笑)
フッフッフ・・・(笑)


な〜んてね☆
そんなことはしません。
ここはうちの敷地内、あなた方のこの夏の暮らしは保証します。

ただ、これは薪にするための原木です。
冬には割ってしまいます。

彼らにとっては、私こそが棲み家を奪う “環境変化” の張本人になるでしょうね。
彼らはたくましく、ここを出て行くでしょう。


さて、田舎から、なぜ若年層が減り続けるのか?
居心地が悪いから出て行くんですよね。

この居心地の悪さってなんだろう?
高校から先の学校がない。働く場所(仕事)が少ない。伝統的な古臭いご近所付き合いが嫌だ。

つまり、楽しくないんですよ。


田舎はいまだに “都会コンプレックス” を持っている。
これを脱却しない限り、田舎は衰退し続けます。
仕方なく田舎に残る人を守ることはもちろん大事だけど、
田舎で暮らしたいっていう移住希望者のニーズにもっと目を向けるべきです。
これが田舎に移住して16年目を迎える私の意見です。

田舎には田舎でしかできない役割があります。

田畑の耕作放棄、山林の荒廃、労働人口の減少、田舎ではこれらの現象が加速しています。
それは今の社会の中では当たり前です。

都会の真似をしようとするからです。
田舎でしか出来ない強みを生かしていないんです。

おこがましいですが、
私は出来ました。

お爺さんから受け継いだ田畑、山林を手入れすることでお客さんを呼びました。

一次産業っていうと、補助金とか助成金をもらって成り立っているっていう弱い産業のイメージがあります。
私は開業時にリフォーム助成金という村の助成金の20万円を貰いました。
それだけです。 返そうと思えばいつでも返せます。

融資も受けずに、公的資金の援助も受けずに(開業時の20万円は受けた)、自力で悠々自適な農家民宿を作りました☆
できるんですよ☆

これから、これをモデル化する作業に入りたいと思います。

今後、自分がどうするかも含めて、田舎にもっと若者を増やそうプロジェクトを進めて行きたいと思います。
だって、自力での田舎生活、出来るんだから☆
そのノウハウは伝えて行きたいと思います。


posted by mibu at 21:58| Comment(0) | 日記

2019年07月12日

リニア時代


毎日、熊五郎との散歩が楽しいです☆

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固定の散歩コースはありません。
その日の民宿の仕事の状況や天候、気分次第で決めています♪

どれもお気に入りの散歩コースですが、特にお気に入りのコースは、勝手に “俺の滝” と名付けている滝までのコースです。
ちなみにこの滝の正式名称は “成田不動滝” です。
なぜ “俺の滝” かというと、命名した当時のブログをご覧ください。
(時間が無い方は飛ばしてくださいね)
http://toyooka-higashi.sblo.jp/article/175342059.html

うちの民宿から “俺の滝” までは、距離にして800mくらいでしょうね。
近いです。
民宿から熊五郎と散歩して滝壺まで行って、遊んで帰ってくれば、トータル45分も掛からないでしょうね。
( 散歩とはいえ、基本、走ってますから歩けばもっと掛かります(笑) )

お散歩スタート♪

@よほど散歩が楽しいんだろうな♪
尻尾振りながら、お尻がプリプリ♪
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A山から流れてくる湧き水で水遊び♪
あー かわいい♡
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Bはい、熊ちゃん行くよ〜♡
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C木が生い茂っていて写真では分かりませんが、畑と田んぼの奥に川が流れています。
それが壬生沢川(みぶさわがわ)です。
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D田んぼ綺麗だね〜♪ 熊ちゃん♡
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Eあと、もう少しで滝が見えるね〜♪
ほら! 見えた☆
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Fこの滝、実は先人たちが造った滝なんです。
写真を撮っている私の方へ本当は川が流れていたようです。
どうしても田んぼが欲しくて、川の流れを変えたそうです。
それで誕生したのが、この滝です。
川の流れを変えて開いた田んぼ、ここの地籍は“開田(かいでん)”と言います。
知らないだけで、同じような逸話、日本中でたくさんあるんだろうな。

あ〜、お堅い話ごめんね、熊ちゃん♪
よ〜し、滝壺へ行くぞ〜☆
こらこら、そんなに引っ張るな。
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どうやら、ここで体験型民宿を続けることは、やはり難しい状況になりました。

私が体験型民宿 “農家民宿ひがし” を経営しているこの場所は、長野県下伊那郡豊丘村の壬生沢区(みぶさわく)という場所です。
これまでブログでも散々、発信してきたように、この壬生沢区の真下がリニア新幹線の運行ルートになっています。
つまり、壬生沢区にリニア新幹線の地下トンネルが開きます。

掘った土をどこかへ捨てなければいけない、その土を運ぶダンプが通れる道路を整備しなければいけない。



今ご紹介したB〜Fまでを
リニア新幹線のトンネル掘削残土で埋めます。



埋めてどうするのかっていうと、ダンプが走り易い、まっすぐな広い道路を造るんですって・・・

先日、壬生沢区で臨時総会がありました。
壬生沢区から村へ、村道改良の要望をするという建前のもと、臨時総会に区民は召集されました。

壬生沢区長の説明が済んだ後の質疑応答で、私はまっさきに手を挙げて意見しました。

「反対です」

「なんでJRのダンプのために道路を改良しなければならないの?」
「これは生活道路でしょ、自分はここの自然を生かした体験型民宿をやっています、こういう商売をしているのはこの土地では自分だけだから、いつも孤立するからなるべく言わないようにしていたんだけど、“今回は明確に反対です!”」って言ってやりました☆
そのあとにこうも付け加えました。
「多数決の結果には当然従うので、賛成多数で可決した場合は、もう何も言いません」

結果ですがね・・・

説明する必要もありませんよね・・・

撃沈しました。

もう何も言いません。

今後の流れですが、壬生沢区から豊丘村へ村道改良の申請を出し、豊丘村が承認して、改良工事が始まります。
シナリオが見え見えなんですよね。

JRの意向を村役場が汲み取り、村役場から壬生沢区へ話を持ちかけた、
壬生沢区も道路を広くしてもらえるなら良い話だと思った、
それだけです。

臨時総会で配布された、埋め立て&道路改良の図面があります。
この図面は誰が作成したのかという質問に対して、村が作成したと壬生沢区長は回答しました・・・

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つまり、もう話がついているんです。

この通りになるでしょう。

先ほどの図面は分かりにくいので、分かり易くgooglemapでご説明します。

これが改良前の道路(現状)
川が途中で途切れていますが、実際は道路に沿ってずっと流れています。
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それをこうしたい(改良工事)
赤斜線部分を埋め立てます。
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うちの民宿はここ(丸でかこってあるところ)
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今後の予定について、JRの飯田事務所(地元)に問い合わせました。
2020年から、各種の造成を始めたいとの回答でした。
来年か〜。

うちの民宿は囲まれております(笑)
今回の話だけではなく、半径3Km圏内に、掘削残土を運び込む場所が2ヶ所決まっております。
これで3ヶ所目です。

も〜う、どう考えても、今のスタイルの田舎体験型民宿は無理ですね。

始めたときは自然なスタイルでしたが、このまましがみ付いて続けるのは不自然です。

今、ポリポリと頭を掻いていますよ。

お前はまだ苦労が足りていないからもっと苦労しろって、天に言われているのかな?
他にやるべきことがあるって、言われてるのかな?

分かんないよ。

当面は、今のまま営業を続けますが、今後の工事の状況等の様子を見ながら、短期休業、長期休業を想定して今後を考えます。
前回のブログで、第一章は自分探し、第二章は起業と書きましたが、第三章が嫌でも始まろうとしています。
第三章はリニア時代です。
リニア時代と言っても、この村の人たちが浮かれているようなリニア万歳じゃないですよ、リニア工事と向き合って、どう生き抜いていくかっていうことです。

どうしよっかな〜 これから


posted by mibu at 00:13| Comment(4) | 日記

2019年06月30日

移住の心得


クワガタがたくさん捕れる季節になりました☆

熊五郎と山の中を散歩しながらクワガタを探しています♪
うちに泊まりに来るお客様から、熊五郎との散歩に同行したいというご要望が多くあるのですが、散歩が終わった後、クレームが入ることがあります(笑)
散歩じゃないじゃ〜ん(笑) 走ってるじゃ〜ん(笑)

そうです、熊五郎と山の中を走り回ることになります(笑)
ただ、クワガタ生息エリアだけは歩きます。
熊五郎を静止しながら目を光らせてクワガタを探しています。

民宿の飼育ケースには今、10匹近くのクワガタがいます。
今年の夏も、うちに泊まりに来る子供たちのアイドルになることでしょう(^o^)
うお〜! すげー! かっけ―!

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さて、昨夜、ここの地区の青壮年部の飲み会がありました。
私は毎年、宿泊予約が入っていて参加できなかったのですが、今年はちょうど予約が空いており、参加しました。
楽しかったですよ☆
同じ地域で暮らしている同じ年代同志、共通の話題や価値観、問題点なんかを話すことが出来て有意義な時間でした☆

「そういえば、紘彰って、何歳になったの?」
「今年で38歳です。22歳でこっちへ移住してきたので、もう16年目になりますね」
「もうそんなに経つのかー!」

田舎へ移住してからの16年なんて、あっという間でした。
感覚的には、つい3、4年前のような気がしています。

それがもう16年です。

短く感じる理由は、走ったからでしょう。
大学を卒業するまでは、親の経済力の中で、ぬくぬくと育ちました。
私立大学だったので、年間100万円、卒業するまでに400万円出してもらいました。
いずれ、ちゃんと返します。

苦労を知らない、世の中をなめている、その反面、高いレベルの教育を受けて頭でっかちになる。
このままじゃいけない、そう思って、過酷な環境に身を置くことを選択しました。
田舎へ移住しました。

ここから、自分の力で生きる人生がスタートします。

それまでの人生は自分の中では“白紙”です。
ただ生活しているだけで、“自我”というものがありませんでした。

田舎へ移住してから自分の人生の“第一章”がようやく始まりました。

高齢のお爺さんとの二人暮らし、介護、家事は俺がしなくちゃいけない、会社勤めの仕事もある、地域付き合いもやらないといけない、
これまでが温室育ちでしたので、もう、大変でしたよ。
でも食らいつきました。
この道は自分が選んだんだから。

会社勤めをしながら、社会の厳しさ、地域付き合いの厳しさを思い知ったのが30歳までの自分です。

次に第2章に入る訳ですね。

第2章の幕開けは、“起業” です。

もう抑えられませんでした。

なんか、田舎っておかしくない?
田舎はいまだに都会コンプレックスを持っている。
自分が田舎に求めていることと、田舎の地域経済が求めていること、ギャップがあるんです。
田舎が都会に憧れるなんて、もう古いんですよ。
逆です。
都会が田舎に憧れる時代が、もう来ているはずなんです。

それを体現したのが “農家民宿ひがし” です。

起業するときには、周囲からバカにされるって分かっていたので、誰にも相談せず、何も言わず、アドバイスも求めず、ズドーン!!! って、
いきなり始めました☆

周囲が気が付いた頃には、とき、すでに遅し・・・・。
何! 体験型民宿始めたって!!

もう、やっちゃったもんね〜(笑)
やったもん勝ちです☆
後はおのれ次第です。
フッフッフ・・・♪

無謀なチャレンジ精神に満ちていた、あの頃の自分に花束を贈りたいです(笑)
お前、すんげ〜苦労することになるぞ・・・・

起業して8年目、これまで、すごく順調です。
宿泊施設って、一度行ったら終わり、っていうことが多いと思うのですが、うちはリピート率3割です☆
夏に来て楽しかったから、次は春に来たい、秋に来たい、冬に来たい・・・

本当にありがたいです。

そして、

嫌なんですが・・・
嫌なんですが・・・

第3章が始まろうとしています・・・

リニア時代です・・・

リニア新幹線の工事が、いよいよこの地域で始まろうとしています。
間もなく始まります・・・

この地域の自然は壊されるでしょう・・・
民宿の前をダンプが行き交うでしょう・・・

もう、止まりません・・・
第3章がいよいよ始まります。


だけど、嫌だから、魅力がなくなったから、この土地を離れるっていう選択肢は、私には無いんです。
もはや身軽ではありません。
お爺さんからバトンを受けた(相続した)、家、お墓、田んぼ、畑、山があるんです。
嫌でもなんでもここで暮らしていくんです。
出ていくという選択肢はありません。

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話はそれますが、
今、国の政策で、都会から地方へ若者を移住させる政策、“地域おこし協力隊” という制度があります。
この村へも大勢、入っています。
都会から入って来た地域おこし協力隊員には、理想と現実のギャップに悩む隊員が多くいると思います。

私から田舎目線で現実的な指摘をさせてもらいますね。

どうせ、嫌になったらここを出て行くっていう目で見られているんですよ。
だから、冷たいんです。
あてにしていないんです。

悔しかったら、ここの一員になる覚悟を決めることです。

それが伝わった途端、発言権を持てます。
言いたいことが言えるようになります。

それが田舎です。


話はそれましたが、第3章が始まります。

毎日、リニアのことを考えています。
天は、違うことをやりなさいって、自分に告げているのかな?
それとも、歯を食いしばってでも今の民宿を続けなさいって言っているのかな?

分からないので、一生懸命、今を生きることに決めました。

先日、この村の “地域おこし協力隊” と、今後の観光のあり方について対談しました。
約1時間という長い動画ですが、ご視聴の程、宜しくお願い致します。
最後の10分くらいで、リニアに対する不安を語りました。

https://www.youtube.com/watch?v=oridUIe5EmI&t=833s


posted by mibu at 17:02| Comment(2) | 日記